【ギター】クラシックギターを買う(5)
- 2013.05.04 Saturday 15:41
前回書いたように、1964年製のEstruchに対する物欲が抑えきれなくなってしまった。
ほかに試奏したAntonio Sanchez、Juan Hernandez、Jose Ramirez、Cuencaなどの量産モデルは、もちろん一本ごとに音の違いはあるにせよ、先に売れてしまえばまた別の一本を探せばいいだけのこと。
しかしビンテージギターは「一点モノ」なので、誰かに買われてしまえばそれまでである。このEstruchは店頭に出てから半年ほど売れずに残っていたようなので、すぐに買い手がつくとは思えなかったが、それでもわずかなタイミングの差で「掻っ攫われる」可能性もゼロではない。
このときの心の葛藤というかやきもき感を書き出すとはさらに長くなるので省略するとして、結局試奏してから二日目に我慢が出来なくなって店を再訪し、再試奏して記憶が美化されていないことを確認したのち、最後にはしばし意識を喪失した(意訳:クレジットカードを出した)。
ということで、Estruchは、今、手元にある。
部屋で弾いてみると、やはりいい音がする。古く、可愛らしく、渋く、枯れて、ちょっと艶(いろ)っぽい、そんな音だ。さすが49歳だけあって熟女である(笑)。Antonio SanchezやCuencaのような若い美人とは一味違う。きっと練習するにつれて、もっといい音が出てくるようになるだろう。
さて、こんなに長々と購入記を書いたのは、購入に至るまでのプロセスが楽しかったことと、いい楽器に巡り合えて手に入れられた嬉しさとが重なったからだ。「モノを買う」という行為でこんなに楽しい想いをしたのは久しぶりのような気がする。
以上、長々とした駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
我が家には全身を撮れるような小奇麗な背景がないので、サウンドホールのところだけを少し。トップ(表板)のスプルース(松)は本来は白木だが、赤茶色に焼けていい雰囲気を出している。木目に沿って縦に入っている細かいヒビは、経年変化で生じるラッカー塗装の傷みで「ウェザーチェック」と称され、ビンテージの証だ。ちなみに最近の量産モデルに多いポリウレタン塗装ではウェザーチェックは発生しないらしい。ロゼッタ(サウンドホール周囲の修飾)が独特。指板(しばん)はエボニー(黒檀)のようだ。
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ほかに試奏したAntonio Sanchez、Juan Hernandez、Jose Ramirez、Cuencaなどの量産モデルは、もちろん一本ごとに音の違いはあるにせよ、先に売れてしまえばまた別の一本を探せばいいだけのこと。
しかしビンテージギターは「一点モノ」なので、誰かに買われてしまえばそれまでである。このEstruchは店頭に出てから半年ほど売れずに残っていたようなので、すぐに買い手がつくとは思えなかったが、それでもわずかなタイミングの差で「掻っ攫われる」可能性もゼロではない。
このときの心の葛藤というかやきもき感を書き出すとはさらに長くなるので省略するとして、結局試奏してから二日目に我慢が出来なくなって店を再訪し、再試奏して記憶が美化されていないことを確認したのち、最後にはしばし意識を喪失した(意訳:クレジットカードを出した)。
ということで、Estruchは、今、手元にある。
部屋で弾いてみると、やはりいい音がする。古く、可愛らしく、渋く、枯れて、ちょっと艶(いろ)っぽい、そんな音だ。さすが49歳だけあって熟女である(笑)。Antonio SanchezやCuencaのような若い美人とは一味違う。きっと練習するにつれて、もっといい音が出てくるようになるだろう。
さて、こんなに長々と購入記を書いたのは、購入に至るまでのプロセスが楽しかったことと、いい楽器に巡り合えて手に入れられた嬉しさとが重なったからだ。「モノを買う」という行為でこんなに楽しい想いをしたのは久しぶりのような気がする。
以上、長々とした駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
我が家には全身を撮れるような小奇麗な背景がないので、サウンドホールのところだけを少し。トップ(表板)のスプルース(松)は本来は白木だが、赤茶色に焼けていい雰囲気を出している。木目に沿って縦に入っている細かいヒビは、経年変化で生じるラッカー塗装の傷みで「ウェザーチェック」と称され、ビンテージの証だ。ちなみに最近の量産モデルに多いポリウレタン塗装ではウェザーチェックは発生しないらしい。ロゼッタ(サウンドホール周囲の修飾)が独特。指板(しばん)はエボニー(黒檀)のようだ。
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【ギター】クラシックギターを買う(4)
- 2013.05.03 Friday 20:00
こんなに長くなるつもりはなかったんだけども、とにもかくにも前回から続く。
とあるクラシックギター専門店を出ようとしたところで、1960年代半ばに製造されビンテージ品の雰囲気を醸し出している一本のギターが目に留まった、と前回に書いた。
メーカー名(工房名)はいくつか下調べしてきた中にはない知らないところで、「Estruch」とある。「エストルッチ」と読むらしい。
立ち止まってしげしげと眺めてみるものの、店のスタッフ氏はこのギターは初心者向けではないと考えたのか、「弾いてみますか?」とは勧めてこない。が、なんとなくそのギターに惹かれる感じがして、このまま帰ってしまうとおそらく触る機会もないだろうから、思い切って「これ、ちょっと弾かせてもらえますか」と頼んでみた。歳を取るとだんだん遠慮がなくなってくるのは困りものだが、こういうときは便利だ。
さて、スタッフ氏によるチューニングと一通りの音出しののちに渡されたそのギターに触った瞬間に、その感触と雰囲気に一目惚れしてしまった。製作から50年近くが経過しているから多少のキズや塗装の傷みはあるものの、年代を考えればきれいなほうだろうし、ウェザークラックが無数に出ているトップはスプルース(松)がいい色に焼け、サイドとバックのブラジリアン・ローズウッドの木目や色も素晴らしい。そういうディテールとともに、ギター全体から醸し出される佇まいや触り心地がなんとも言えないのである。
肝心な音も自分の好みだった。初心者のポロンポロンのレベルで弾いただけでも、年代を感じさせるやや枯れた音の中に甘い色気が感じられるではないか。6弦(いちばん低い音のする弦)の響きの艶っぽさも素晴らしかった。クラシックギターに詳しい人やクラシカルな曲を志向する人の評価はおそらく違うと思うが、自分にとっていい音なら、それはいいギターに違いないはずだ。
というわけで、佇まいに一目惚れしたのち、音にも「一耳惚れ」してしまった。これはヤバイ(財布的に)。さっきまで試奏していた明るく伸びやかな音のするCuencaでは物足りなかった何かがこのギターにはあるではないか。
とはいえ工房の詳細が判らない。スタッフ氏の「バルセロナにある(あった)工房で、年に一本ぐらい、ごくたまに(中古商品が)入ってくるぐらいですね」というのが唯一の情報である。音だけで決めていいものなのか自信もないし、なんとなく熱に浮かされた状態では判断を誤る可能性もあるし、そもそも金策についてキヨブタ的決断も必要なので、その日は帰ることにした。
自宅に戻ったら早速Googleである。工房の名前を入れて検索を試みた。ところがなかなか情報が出てこない。スペインには三チャン経営レベルの個人工房がたくさんあるらしく、その中のひとつなのだろうが、あまりメジャーな工房ではないようだ。
それでもいくつかの情報をつなぎ合わせると、1880年に創業者となるJuan Estruch Rosell氏がバルセロナにギター屋を開業。1898年に職人らを集めてギターの製造を開始。スペイン内戦(1936年〜1939年)のあと息子のJuan Estruch Sastre氏が工房を受け継ぎ、1970年にSastre氏が亡くなったあとは、創業者の孫にあたるJuan Estruch Pipó氏が1989年に亡くなるまで工房を経営。現在はPipó氏の未亡人らが「Estruch Luthiers」として引き継いでいるらしい、ということが判った。
見つけたギターは1964年製なので、年代で考えると、二代目のJuan Estruch Sastre氏の代の製作だろうか。ただしSastre氏本人が作ったものか職人が作ったものかまでは判らないが。
あれれ、この回で終わるつもりだったのが、終わらないのでもうちょっと続く・・・(長くなってスミマセン)
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とあるクラシックギター専門店を出ようとしたところで、1960年代半ばに製造されビンテージ品の雰囲気を醸し出している一本のギターが目に留まった、と前回に書いた。
メーカー名(工房名)はいくつか下調べしてきた中にはない知らないところで、「Estruch」とある。「エストルッチ」と読むらしい。
立ち止まってしげしげと眺めてみるものの、店のスタッフ氏はこのギターは初心者向けではないと考えたのか、「弾いてみますか?」とは勧めてこない。が、なんとなくそのギターに惹かれる感じがして、このまま帰ってしまうとおそらく触る機会もないだろうから、思い切って「これ、ちょっと弾かせてもらえますか」と頼んでみた。歳を取るとだんだん遠慮がなくなってくるのは困りものだが、こういうときは便利だ。
さて、スタッフ氏によるチューニングと一通りの音出しののちに渡されたそのギターに触った瞬間に、その感触と雰囲気に一目惚れしてしまった。製作から50年近くが経過しているから多少のキズや塗装の傷みはあるものの、年代を考えればきれいなほうだろうし、ウェザークラックが無数に出ているトップはスプルース(松)がいい色に焼け、サイドとバックのブラジリアン・ローズウッドの木目や色も素晴らしい。そういうディテールとともに、ギター全体から醸し出される佇まいや触り心地がなんとも言えないのである。
肝心な音も自分の好みだった。初心者のポロンポロンのレベルで弾いただけでも、年代を感じさせるやや枯れた音の中に甘い色気が感じられるではないか。6弦(いちばん低い音のする弦)の響きの艶っぽさも素晴らしかった。クラシックギターに詳しい人やクラシカルな曲を志向する人の評価はおそらく違うと思うが、自分にとっていい音なら、それはいいギターに違いないはずだ。
というわけで、佇まいに一目惚れしたのち、音にも「一耳惚れ」してしまった。これはヤバイ(財布的に)。さっきまで試奏していた明るく伸びやかな音のするCuencaでは物足りなかった何かがこのギターにはあるではないか。
とはいえ工房の詳細が判らない。スタッフ氏の「バルセロナにある(あった)工房で、年に一本ぐらい、ごくたまに(中古商品が)入ってくるぐらいですね」というのが唯一の情報である。音だけで決めていいものなのか自信もないし、なんとなく熱に浮かされた状態では判断を誤る可能性もあるし、そもそも金策についてキヨブタ的決断も必要なので、その日は帰ることにした。
自宅に戻ったら早速Googleである。工房の名前を入れて検索を試みた。ところがなかなか情報が出てこない。スペインには三チャン経営レベルの個人工房がたくさんあるらしく、その中のひとつなのだろうが、あまりメジャーな工房ではないようだ。
それでもいくつかの情報をつなぎ合わせると、1880年に創業者となるJuan Estruch Rosell氏がバルセロナにギター屋を開業。1898年に職人らを集めてギターの製造を開始。スペイン内戦(1936年〜1939年)のあと息子のJuan Estruch Sastre氏が工房を受け継ぎ、1970年にSastre氏が亡くなったあとは、創業者の孫にあたるJuan Estruch Pipó氏が1989年に亡くなるまで工房を経営。現在はPipó氏の未亡人らが「Estruch Luthiers」として引き継いでいるらしい、ということが判った。
見つけたギターは1964年製なので、年代で考えると、二代目のJuan Estruch Sastre氏の代の製作だろうか。ただしSastre氏本人が作ったものか職人が作ったものかまでは判らないが。
あれれ、この回で終わるつもりだったのが、終わらないのでもうちょっと続く・・・(長くなってスミマセン)
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【ギター】クラシックギターを買う(3)
- 2013.05.01 Wednesday 11:42
前回から続く。
さて、クラシックギターがどんなものかを知るために、専門店へ出陣である。
楽器屋が多い新大久保エリアと御茶ノ水〜小川町エリアを巡回してみることにした。近いところで横浜も覗いてみた。全部で10店舗ぐらいは回っただろうか。そのうちクラシックギターの専門店(専門フロア)は4軒ぐらいだったと思う。
楽器屋に並べられているギターは、見本ではなく売り物なので、お客が勝手に手を出してはいけないというのが暗黙のルールだ(ギターに限らず楽器はどれも同じ)。それにネックにストレスがかからないように弦が緩められているので、そのままでは正しい音が出ない。スタッフに頼んでチューニングののちに弾かせてもらう必要がある。
個室ではなくて店内での試奏は少しばかり恥ずかしいけれども、「始めたばかりなんで弾けないんですよ」と言えばスタッフの人が弾いて聴かせてくれるし、自分が知っているコードや音階をポロンポロンと弾いてみるだけでも楽器の音の違いは判る(楽器店の人によると判らない人もいるそうだが)。初心者の客はいつものことなのでスタッフも慣れたものである。
いくつかの店で、Antonio Sanchez(アントニオ・サンチェス)、Juan Hernandez(ホアン・エルナンデス)、Jose Ramirez(ホセ・ラミレス)、Cuenca(クエンカ)の比較的低価格なモデルを延べ10本ぐらい弾かせてもらった。低価格といっても定価ベースで10万円から40万円もする。いずれもスペインのギター工房である。
コスパが高いと感じたのはAntonio Sanchezで、なかでもハカランダ合板のHandcraft-1は合板ながら低音も良く出ていた。狭い自室で弾いたら少しうるさいぐらいかもしれない。バランスに優れて音が美しく色気のあったのはCuencaのGarboso。定価で42万円だそうだ(中古価格は1/3ぐらい)。値段は正直である。
スペイン製以外では、ブルガリア製のOrpheus Valleyは木目が見事で素敵だったが、楽器としてなかなか鳴ってくれない。残念。
Gibson傘下のEpiphoneが1960年代に製作したEC-30は、ビンテージということもあって雰囲気がとても良く値段も手頃だったのだが、音がウクレレ風だった。残念。
前回少し触れたブラジルのDi Giornoにも触らせてもらった。なるほど、スペイン製のギターのような美しい音ではなく、ボサノバに適した感じのちょっと枯れた音がして、選択肢としては充分に「アリ」だった。ただ張られていた弦の問題か、あるいは指板の感触の問題か、ちょっと弾きにくい感じがした。調整してもらえば良くなるかもしれない。
某店では頼んでもいないのにJose Yacopiをスタッフの方が持ってきてくれた。なんと70万円超の値札が付いているではないか。「ボサノバギターが好きな人はJose Yacopiを持つことを目標にしている」のだそうだ。「お客さんは楽器ごとの音の違いが判るようなので、いいギターがどんな音を出すのか弾いてみてください」と言うから、遠慮がちに触らせてもらうとたしかにいい音で良く鳴る。先ほどのAntonio Sanchez Profesor-1(ハカランダ合板タイプ)も低音が良く鳴る(=要は音量が大きい)のだが、このJose Yacopiはそれとは違って楽器全体が共鳴しているような上質の鳴り方である。「表現はアレですけど、小さい音でも男のタマにズーンと響く感じですね」と感想を述べたら、「そういう言い方をしたお客さんは初めてですよ」と笑っていた。
アレコレといろいろな店でいろいろなギターを弾かせてもらったものの、実のところ決め手のないまま、CuencaのGarbosoがいちばんまとまっているかなぁ…それにしてもJose Yacopiはいいなぁ…ぐらいの感想を抱いて某店を出ようとしたときに、そのギターが目に入ってきたのだった。
というわけで、もうちょっと続く・・・
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さて、クラシックギターがどんなものかを知るために、専門店へ出陣である。
楽器屋が多い新大久保エリアと御茶ノ水〜小川町エリアを巡回してみることにした。近いところで横浜も覗いてみた。全部で10店舗ぐらいは回っただろうか。そのうちクラシックギターの専門店(専門フロア)は4軒ぐらいだったと思う。
楽器屋に並べられているギターは、見本ではなく売り物なので、お客が勝手に手を出してはいけないというのが暗黙のルールだ(ギターに限らず楽器はどれも同じ)。それにネックにストレスがかからないように弦が緩められているので、そのままでは正しい音が出ない。スタッフに頼んでチューニングののちに弾かせてもらう必要がある。
個室ではなくて店内での試奏は少しばかり恥ずかしいけれども、「始めたばかりなんで弾けないんですよ」と言えばスタッフの人が弾いて聴かせてくれるし、自分が知っているコードや音階をポロンポロンと弾いてみるだけでも楽器の音の違いは判る(楽器店の人によると判らない人もいるそうだが)。初心者の客はいつものことなのでスタッフも慣れたものである。
いくつかの店で、Antonio Sanchez(アントニオ・サンチェス)、Juan Hernandez(ホアン・エルナンデス)、Jose Ramirez(ホセ・ラミレス)、Cuenca(クエンカ)の比較的低価格なモデルを延べ10本ぐらい弾かせてもらった。低価格といっても定価ベースで10万円から40万円もする。いずれもスペインのギター工房である。
コスパが高いと感じたのはAntonio Sanchezで、なかでもハカランダ合板のHandcraft-1は合板ながら低音も良く出ていた。狭い自室で弾いたら少しうるさいぐらいかもしれない。バランスに優れて音が美しく色気のあったのはCuencaのGarboso。定価で42万円だそうだ(中古価格は1/3ぐらい)。値段は正直である。
スペイン製以外では、ブルガリア製のOrpheus Valleyは木目が見事で素敵だったが、楽器としてなかなか鳴ってくれない。残念。
Gibson傘下のEpiphoneが1960年代に製作したEC-30は、ビンテージということもあって雰囲気がとても良く値段も手頃だったのだが、音がウクレレ風だった。残念。
前回少し触れたブラジルのDi Giornoにも触らせてもらった。なるほど、スペイン製のギターのような美しい音ではなく、ボサノバに適した感じのちょっと枯れた音がして、選択肢としては充分に「アリ」だった。ただ張られていた弦の問題か、あるいは指板の感触の問題か、ちょっと弾きにくい感じがした。調整してもらえば良くなるかもしれない。
某店では頼んでもいないのにJose Yacopiをスタッフの方が持ってきてくれた。なんと70万円超の値札が付いているではないか。「ボサノバギターが好きな人はJose Yacopiを持つことを目標にしている」のだそうだ。「お客さんは楽器ごとの音の違いが判るようなので、いいギターがどんな音を出すのか弾いてみてください」と言うから、遠慮がちに触らせてもらうとたしかにいい音で良く鳴る。先ほどのAntonio Sanchez Profesor-1(ハカランダ合板タイプ)も低音が良く鳴る(=要は音量が大きい)のだが、このJose Yacopiはそれとは違って楽器全体が共鳴しているような上質の鳴り方である。「表現はアレですけど、小さい音でも男のタマにズーンと響く感じですね」と感想を述べたら、「そういう言い方をしたお客さんは初めてですよ」と笑っていた。
アレコレといろいろな店でいろいろなギターを弾かせてもらったものの、実のところ決め手のないまま、CuencaのGarbosoがいちばんまとまっているかなぁ…それにしてもJose Yacopiはいいなぁ…ぐらいの感想を抱いて某店を出ようとしたときに、そのギターが目に入ってきたのだった。
というわけで、もうちょっと続く・・・
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【ギター】クラシックギターを買う(2)
- 2013.05.01 Wednesday 11:41
前回から続く。
さて、ナイロン弦(クラシックギター)が欲しくなったところで、ギター選びに関して何の知識も持っていないので、まずはインターネッツで情報収集である。
まずボサノバに適したギターを調べてみると、クラシックギター製品の中にそういったジャンルは特に定められていないことが判った。
ただし、音楽の特性として、ボサノバではコードチェンジが頻繁にあり、リズムを刻むことも多いため、クラシック楽曲に適したような響きの長い楽器ではなく、どちらかというと響きの短い楽器を選んだほうが前の音が混ざらずにいいのではないか、という意見があった。
また、コードチェンジがスムーズにできるように、ナット幅(0フレットの幅)はクラシックギターに多い52mmではなくやや狭い50mmのほうがボサノバには適している、という意見もあった。
また、ボサノバギターというジャンルはないものの、「Di Giorgio」(ジ・ジョルジオ)というブラジル製ギターがボサノバに適しているらしいということも判った。アントニオ・カルロス・ジョビン御大やバーデン・パウエルやトッキーニョらの使用楽器だそうだ。
ただし、お国柄なのか、ギターの作りはかなり粗雑らしい。扱い元のsambatownのよくある質問にはこんなことが書いてある。
ちなみに新品または程度の良い中古のDi Giorgioは15万円ぐらいである。
また、クラシックギターという大きな括りの中に「フラメンコギター」というジャンルがあることも知った。空気を切り刻むようなジャジャッ!というような独特の奏法に応えられるように、本体の厚みを10mm程度薄くして響きを抑え、なおかつ右手爪による引っかき傷を防止するゴルペ板という透明な保護板(保護シート)が貼られているのが特徴である。ボサノバに向いているという情報がないので、おそらく向いていないのだろう。
さらに、中古ギターの情報を調べていくうちに、クラシックギターには専門店があるということも知った。スティール弦のフォークギター(やエレキ)に強い店舗でもナイロン弦の商品には強くない可能性があるので、買うとしたらやはり専門店のほうが良さそうだ。
価格帯は、定価ベースで10万円から30万円が量産タイプでどちらかというと初心者向け、それ以上のクオリティや手工品(職人による手作り品)を求めるなら最低でも30万円かそれ以上云々、というのが大方の相場のようだ。中古で探せば定価の半額ぐらいが目安になるにしろ、ゲルピン族にとってはなかなかハードルが高い。
そしてインターネッツ上のどの情報源にも「ギターは必ず試奏して気に入ったものを選ぶこと」と書かれている。つまり、通販やオクで買うべからず、という意味だ。ギターがほとんど弾けない自分にとって店頭での試奏はかなり気が引けるのも事実なのだが、そういう場合はお店のスタッフに弾いてもらって音を聴き比べよ、というアドバイスもあった。
そんな大まかな知識を仕入れていざ出陣である。
というわけでまだ続く・・・
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さて、ナイロン弦(クラシックギター)が欲しくなったところで、ギター選びに関して何の知識も持っていないので、まずはインターネッツで情報収集である。
まずボサノバに適したギターを調べてみると、クラシックギター製品の中にそういったジャンルは特に定められていないことが判った。
ただし、音楽の特性として、ボサノバではコードチェンジが頻繁にあり、リズムを刻むことも多いため、クラシック楽曲に適したような響きの長い楽器ではなく、どちらかというと響きの短い楽器を選んだほうが前の音が混ざらずにいいのではないか、という意見があった。
また、コードチェンジがスムーズにできるように、ナット幅(0フレットの幅)はクラシックギターに多い52mmではなくやや狭い50mmのほうがボサノバには適している、という意見もあった。
また、ボサノバギターというジャンルはないものの、「Di Giorgio」(ジ・ジョルジオ)というブラジル製ギターがボサノバに適しているらしいということも判った。アントニオ・カルロス・ジョビン御大やバーデン・パウエルやトッキーニョらの使用楽器だそうだ。
ただし、お国柄なのか、ギターの作りはかなり粗雑らしい。扱い元のsambatownのよくある質問にはこんなことが書いてある。
Di Giorgioのヴィオラゥンって、品質的にどうなの?
はっきり言って悪いです。ヘッドの彫物には失敗した傷が残っていたりするし、フレットは微妙に波打っているし、ネックは日本に着いたとたんすぐ逆反りするし、接着不良の跡はあるし、フレットの溝と足の長さが合っていないし、弦はしょっちゅうビビるし、ペグに至ってはカキンカキンと軋んだり、逆に遊びが大きいものもあったりするし、ツッコミどころを探し始めたらキリがありません。この説明でムムムと思われた方は、ご購入をお諦めになった方が良いと思います、
ちなみに新品または程度の良い中古のDi Giorgioは15万円ぐらいである。
また、クラシックギターという大きな括りの中に「フラメンコギター」というジャンルがあることも知った。空気を切り刻むようなジャジャッ!というような独特の奏法に応えられるように、本体の厚みを10mm程度薄くして響きを抑え、なおかつ右手爪による引っかき傷を防止するゴルペ板という透明な保護板(保護シート)が貼られているのが特徴である。ボサノバに向いているという情報がないので、おそらく向いていないのだろう。
さらに、中古ギターの情報を調べていくうちに、クラシックギターには専門店があるということも知った。スティール弦のフォークギター(やエレキ)に強い店舗でもナイロン弦の商品には強くない可能性があるので、買うとしたらやはり専門店のほうが良さそうだ。
価格帯は、定価ベースで10万円から30万円が量産タイプでどちらかというと初心者向け、それ以上のクオリティや手工品(職人による手作り品)を求めるなら最低でも30万円かそれ以上云々、というのが大方の相場のようだ。中古で探せば定価の半額ぐらいが目安になるにしろ、ゲルピン族にとってはなかなかハードルが高い。
そしてインターネッツ上のどの情報源にも「ギターは必ず試奏して気に入ったものを選ぶこと」と書かれている。つまり、通販やオクで買うべからず、という意味だ。ギターがほとんど弾けない自分にとって店頭での試奏はかなり気が引けるのも事実なのだが、そういう場合はお店のスタッフに弾いてもらって音を聴き比べよ、というアドバイスもあった。
そんな大まかな知識を仕入れていざ出陣である。
というわけでまだ続く・・・
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