- 2013.05.01 Wednesday 11:42
前回から続く。
さて、クラシックギターがどんなものかを知るために、専門店へ出陣である。
楽器屋が多い新大久保エリアと御茶ノ水〜小川町エリアを巡回してみることにした。近いところで横浜も覗いてみた。全部で10店舗ぐらいは回っただろうか。そのうちクラシックギターの専門店(専門フロア)は4軒ぐらいだったと思う。
楽器屋に並べられているギターは、見本ではなく売り物なので、お客が勝手に手を出してはいけないというのが暗黙のルールだ(ギターに限らず楽器はどれも同じ)。それにネックにストレスがかからないように弦が緩められているので、そのままでは正しい音が出ない。スタッフに頼んでチューニングののちに弾かせてもらう必要がある。
個室ではなくて店内での試奏は少しばかり恥ずかしいけれども、「始めたばかりなんで弾けないんですよ」と言えばスタッフの人が弾いて聴かせてくれるし、自分が知っているコードや音階をポロンポロンと弾いてみるだけでも楽器の音の違いは判る(楽器店の人によると判らない人もいるそうだが)。初心者の客はいつものことなのでスタッフも慣れたものである。
いくつかの店で、Antonio Sanchez(アントニオ・サンチェス)、Juan Hernandez(ホアン・エルナンデス)、Jose Ramirez(ホセ・ラミレス)、Cuenca(クエンカ)の比較的低価格なモデルを延べ10本ぐらい弾かせてもらった。低価格といっても定価ベースで10万円から40万円もする。いずれもスペインのギター工房である。
コスパが高いと感じたのはAntonio Sanchezで、なかでもハカランダ合板のHandcraft-1は合板ながら低音も良く出ていた。狭い自室で弾いたら少しうるさいぐらいかもしれない。バランスに優れて音が美しく色気のあったのはCuencaのGarboso。定価で42万円だそうだ(中古価格は1/3ぐらい)。値段は正直である。
スペイン製以外では、ブルガリア製のOrpheus Valleyは木目が見事で素敵だったが、楽器としてなかなか鳴ってくれない。残念。
Gibson傘下のEpiphoneが1960年代に製作したEC-30は、ビンテージということもあって雰囲気がとても良く値段も手頃だったのだが、音がウクレレ風だった。残念。
前回少し触れたブラジルのDi Giornoにも触らせてもらった。なるほど、スペイン製のギターのような美しい音ではなく、ボサノバに適した感じのちょっと枯れた音がして、選択肢としては充分に「アリ」だった。ただ張られていた弦の問題か、あるいは指板の感触の問題か、ちょっと弾きにくい感じがした。調整してもらえば良くなるかもしれない。
某店では頼んでもいないのにJose Yacopiをスタッフの方が持ってきてくれた。なんと70万円超の値札が付いているではないか。「ボサノバギターが好きな人はJose Yacopiを持つことを目標にしている」のだそうだ。「お客さんは楽器ごとの音の違いが判るようなので、いいギターがどんな音を出すのか弾いてみてください」と言うから、遠慮がちに触らせてもらうとたしかにいい音で良く鳴る。先ほどのAntonio Sanchez Profesor-1(ハカランダ合板タイプ)も低音が良く鳴る(=要は音量が大きい)のだが、このJose Yacopiはそれとは違って楽器全体が共鳴しているような上質の鳴り方である。「表現はアレですけど、小さい音でも男のタマにズーンと響く感じですね」と感想を述べたら、「そういう言い方をしたお客さんは初めてですよ」と笑っていた。
アレコレといろいろな店でいろいろなギターを弾かせてもらったものの、実のところ決め手のないまま、CuencaのGarbosoがいちばんまとまっているかなぁ…それにしてもJose Yacopiはいいなぁ…ぐらいの感想を抱いて某店を出ようとしたときに、そのギターが目に入ってきたのだった。
というわけで、もうちょっと続く・・・
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さて、クラシックギターがどんなものかを知るために、専門店へ出陣である。
楽器屋が多い新大久保エリアと御茶ノ水〜小川町エリアを巡回してみることにした。近いところで横浜も覗いてみた。全部で10店舗ぐらいは回っただろうか。そのうちクラシックギターの専門店(専門フロア)は4軒ぐらいだったと思う。
楽器屋に並べられているギターは、見本ではなく売り物なので、お客が勝手に手を出してはいけないというのが暗黙のルールだ(ギターに限らず楽器はどれも同じ)。それにネックにストレスがかからないように弦が緩められているので、そのままでは正しい音が出ない。スタッフに頼んでチューニングののちに弾かせてもらう必要がある。
個室ではなくて店内での試奏は少しばかり恥ずかしいけれども、「始めたばかりなんで弾けないんですよ」と言えばスタッフの人が弾いて聴かせてくれるし、自分が知っているコードや音階をポロンポロンと弾いてみるだけでも楽器の音の違いは判る(楽器店の人によると判らない人もいるそうだが)。初心者の客はいつものことなのでスタッフも慣れたものである。
いくつかの店で、Antonio Sanchez(アントニオ・サンチェス)、Juan Hernandez(ホアン・エルナンデス)、Jose Ramirez(ホセ・ラミレス)、Cuenca(クエンカ)の比較的低価格なモデルを延べ10本ぐらい弾かせてもらった。低価格といっても定価ベースで10万円から40万円もする。いずれもスペインのギター工房である。
コスパが高いと感じたのはAntonio Sanchezで、なかでもハカランダ合板のHandcraft-1は合板ながら低音も良く出ていた。狭い自室で弾いたら少しうるさいぐらいかもしれない。バランスに優れて音が美しく色気のあったのはCuencaのGarboso。定価で42万円だそうだ(中古価格は1/3ぐらい)。値段は正直である。
スペイン製以外では、ブルガリア製のOrpheus Valleyは木目が見事で素敵だったが、楽器としてなかなか鳴ってくれない。残念。
Gibson傘下のEpiphoneが1960年代に製作したEC-30は、ビンテージということもあって雰囲気がとても良く値段も手頃だったのだが、音がウクレレ風だった。残念。
前回少し触れたブラジルのDi Giornoにも触らせてもらった。なるほど、スペイン製のギターのような美しい音ではなく、ボサノバに適した感じのちょっと枯れた音がして、選択肢としては充分に「アリ」だった。ただ張られていた弦の問題か、あるいは指板の感触の問題か、ちょっと弾きにくい感じがした。調整してもらえば良くなるかもしれない。
某店では頼んでもいないのにJose Yacopiをスタッフの方が持ってきてくれた。なんと70万円超の値札が付いているではないか。「ボサノバギターが好きな人はJose Yacopiを持つことを目標にしている」のだそうだ。「お客さんは楽器ごとの音の違いが判るようなので、いいギターがどんな音を出すのか弾いてみてください」と言うから、遠慮がちに触らせてもらうとたしかにいい音で良く鳴る。先ほどのAntonio Sanchez Profesor-1(ハカランダ合板タイプ)も低音が良く鳴る(=要は音量が大きい)のだが、このJose Yacopiはそれとは違って楽器全体が共鳴しているような上質の鳴り方である。「表現はアレですけど、小さい音でも男のタマにズーンと響く感じですね」と感想を述べたら、「そういう言い方をしたお客さんは初めてですよ」と笑っていた。
アレコレといろいろな店でいろいろなギターを弾かせてもらったものの、実のところ決め手のないまま、CuencaのGarbosoがいちばんまとまっているかなぁ…それにしてもJose Yacopiはいいなぁ…ぐらいの感想を抱いて某店を出ようとしたときに、そのギターが目に入ってきたのだった。
というわけで、もうちょっと続く・・・
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- Toilianig 2024/08/31 07:16 PM
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